M-W
2012、愛媛
愛媛県新居浜市が主催するコンペティションで、JR新居浜駅前にモニュメントを設計するもの。
(提案主旨)
新居浜市は、別子銅山で有名だが、山の物語だけでなく、海にまつわる物語も多く存在する。
このモニュメントは、山々の連なりを抽象化した形態を表し、また瀬戸内海の波々をも表している。構造的に可能な限り薄い銅板が3列連なることで構成され、駅舎側から、緑青銅板、銅板、真鍮と3つの違う銅を使用している。3つの銅は、それぞれ違う経年変化により、多様な銅の表情を表すであろう。また、夜は床面からライトアップされる。
■構造設計(鈴木啓/ASA)
このモニュメントの構造は、箱形鉄板構造です。両側にPL4.5mm(一部、6.0mm)で出来た厚さ77mmのサンドイッチ版構造となっている。
常時の長期と台風時の風圧時の検討を行い、安全性を検証しています。地震時作用力は、台風時作用力よりも小さい為、台風時の構造検討を行えば、短期時のモニュメントの安全性は確かめられる。
サンドイッチ版構造は、ベタ基礎と一体で接合されて、風圧時水平力に対しては、転倒防止の役割を果たしている。
ベタ基礎とすることで、現状の地盤で杭を使用しなくても、不同沈下することなく、安全に自立することができるようになっている。
■モニュメント
大きさ:縦1.8m、横17.0m、高さ10.0m
材質:(仕上材)緑青板、真鍮板、銅板、(構造体)鉄
重量:約7,660kg(鉄/7,000kg、仕上材/660kg)
*新居浜駅前交通広場モニュメント設計競技(最終二次審査4案選出)