GHOST Pavilion
2013、ロンドン
イギリス・ロンドンのArch Triumphが毎年主催するコンペティションで、$10,000USDで実現できる期間限定のパビリオンを設計するもの。その仮設性により、短期間で建設可能、かつ簡単に移動可能なものが求められた。大きさは最大で60㎡以内、最高高さは4m。
敷地は、ロンドンのケンブリッジ・ヒースロードにあるミュージアム・ガーデン内で、今回のテーマは「Dream」であった。
(提案主旨)
建築とは、基本的に安定した素材で形づくられ、ある確固とした形態を持つことがほとんどである。
ここでは、そういった”いわゆる建築”とは正反対の建築を提案した。つまり、はっきりとした形態を持たず、常に形を変化し続け、その存在感の希薄なものである。
具体的には、蓄光性のある細い糸で編んだ家型の囲いを、風船で足元少し浮かせたパビリオンの提案である。その繊細な糸で形づくられたパビリオンは、その時々の風の状態によって全体の形は変化し続け、内外の境界を常に曖昧にし続ける。
日中は、その繊細な糸により、その存在は希薄であり、夜にはその蓄光性により、糸に蓄えられた昼間の光が放射され、まるで”GHOST(亡霊)”のように、その曖昧な建築の姿を浮かび上がらせる。
その存在は、まるで夢(Dream)を見ているようである。
■仮設建築
建築面積:60.00㎡